【個人事業主必見!】建設業許可取得と商号登記:義務じゃない?!
建設業許可取得を考えている個人事業主の皆さん、商号登記(法務局での屋号登録)はされていますでしょうか?商号登記って、何?!という方も多いと思いますが、建設業許可の申請に商号登記が必要な場合があります。このページでは、商号登記の説明、必要になる場合、商号登記に必要なものを説明しています。また、建設業許可以外でもメリットがあるため、検討をおすすめします。
商号登記とは?
商号登記は、個人事業主が屋号や名前を法務局に登記することができる制度です。法人は同じく法務局で法人登記を行う必要がありますが、個人で事業をしている方は屋号を商号登記する必要は必ずしもなく、あまり一般的ではないかもしれません。
後述の商号登記のメリットでも説明しますが、登記は取引の安全に資するための制度でもあります。商号登記をしていない個人事業主は、屋号を自由に変更することもできますが、その屋号を名乗る事業主が確かに存在することを証明することができません。法人であれば法務局で登記簿を確認すれば確認できますが、個人の場合は外からその存在を確認する方法は限られています。
商号登記が建設業許可取得に必要なのか?
結論から言えば、個人事業主で建設業許可を取得する場合、屋号を商号登記するように求められる地域があります。
東京都では、個人事業主が屋号を使用して建設業許可を取得する場合は、商号登記が必要になっています。都道府県によって扱いが異なっており、商号登記が無くても屋号での建設業許可取得が可能な地域もあります。
建設現場などで見かける許可票にも屋号は記載されますが、商号登記をしていないと東京都の場合は「商号又は名称」の部分が個人名になってしまいます。普段から屋号を使っているのに、個人名で許可を取ってしまうと取引先に説明するのも大変だと思います。
商号登記は大変なの?!
商業登記には法務局に支払う登録免許税3万円が必要です。
ですが、登記の手続きは、会社の設立などに比べるとかなり簡単で、下記の書類などを用意すれば登記できます。
- 印鑑登録証明書
- 実印(印鑑登録しているもの)
- 商号登記で使う個人事業用の印鑑
- 登記申請書(別紙含め2枚)
- 印鑑届出書
手続きは、問題がなければ1~2週間程度で完了する場合が多いようです。建設業許可の申請時には、商号登記完了後に請求できる登記事項証明書が必要です。建設業許可の申請を考えている方は、事前にお住いの地域が商号登記を必要としているかどうか確認しましょう。
※条件によっては、必要な書類、日数が変わってきますので、管轄の法務局にお問い合わせください。
商号登記のメリット・デメリット
建設業許可を取得するにあたって、商号登記が必要になる場合もあると説明しましたが、商号登記をするメリットはほかにもあります。
メリット
- 信用力の向上: 商号を登記することで、取引先や顧客からの信用が得やすくなります。銀行によっては、屋号で口座を開設する際に商号登記を求められる場合もあるようです。
- 名称の保護: 同一所在地で他の事業者と名称が重複する心配がなくなります。商標登録とは異なりますが、同一所在地に同じ名前で商号登記することはできなくなります。
- (上述の)屋号での許可取得: 東京都では屋号で建設業許可を取得することが可能になります。登記しない場合は、商号又は名称の欄に個人名が記載されます。
デメリット
- 手続きの手間: 商号登記には手続きが必要で、時間と労力がかかります。
- 費用: 登記には3万円程度の手数料がかかります。(法人住民税のような固定費はかかりません)
※そのほかに登記申請を司法書士などの専門家に依頼すると数万円程度費用がかかります
個人での建設業許可取得について
建設業許可を個人で取得されているのは、全体の1割程度と言われています。建設業以外でも許認可が必要な事業の場合、承継手続きや事業売却などで躓く原因の一つが個人で許可を取得していた場合です。建設業許可も現在は緩和されましたが、以前は建設業許可を相続する手続きが大変な部分がありました。事業が大きくなっていくと事業継続をいかに行うか、考える必要が出てきます。
個人で建設業許可を取得する際には、法人を設立して許可を取得することも検討いただければと思います。また法人成りなど、建設業許可以外に関するご相談にも対応しておりますのでお気軽にご相談ください。